今回もZのDIYネタです
先日2日に分けてブレーキキャリパーのオーバーホールを行いました
キャリパー関連の整備の後につきものなのがブレーキラインのエア抜きです
今回で3回目なので、余裕かと思っていましたが、思いの外失敗してしまい、うまくリカバリーできたので記事にしてみます
ブレーキラインのエア抜きとは
ブレーキは油圧駆動になっています
車内のブレーキペダルを踏むとその先につながっているマスターシリンダーで踏力が油圧に変換され、4輪のブレーキに分配されます
このブレーキラインが細いおかげで、わずかな踏力で強いブレーキ出力を生むことができます
キャリパーを外すと必然的にキャリパー内には空気が入ります
また作業中にブレーキライン内にもエアが混入することがあります
ブレーキフルードは温度での膨張がほぼないような性質ですが、空気はその体積変化が非常に大きいのが特徴です
そのため、ブレーキライン内にエアが入ると、ブレーキ本来の性能が出せないだけでなく、最悪の場合ブレーキが全く効かなくなることもあります
そのため、作業後にブレーキラインのエア抜きを入念にする必要があります
エア抜き作業
エア抜き作業の仕方はいくつかあります
代表的なものはワンウェイバルブを使ったものですが、この方法には2人必要です
そこで今回はバキューム式のブリーダーを購入しました
これにより、エアコンプレッサーがあれば一人でエア抜き作業ができます
DIYでの作業が不安な場合は、ディーラーなど、プロにお任せしましょう
作業手順
ということで、作業していきました
ブリーダーを購入したので、余裕だと思い行いました
まずはキャリパーを取り付けた後に何度かブレーキペダルを踏み込みます
そうするとペダルが重たくなっていきます
ある程度重くなったらキャリパーのエア抜きバルブにブリーダーをつなげて陰圧をかけていきます
小さな気泡が出てきて、最終的にはブレーキフルードだけになるので、そうしたらエア抜き完了です
念のため再度同じ作業を繰り返しておきました
ここまでは完璧だと思っていたのですが、左フロントの作業中に事件は起こりました
2回目のペダル踏み込みの際にマスターシリンダーからエアの吸い込み音がしました
驚いて見に行くと、ブレーキフルードの補給器のバルブが閉じており、ブレーキフルードがかなり減っていました
一応リザーバータンクのminよりも上にあったので大丈夫だろうと思い作業を続けました
この一件があったので、ブレーキフルードを500ml残しておいたわけです
試走時の症状
4輪すべてのエア抜きを終えた時点でややブレーキペダルにふわふわ感を感じていました
恐らくエアを少し噛んでいると思いましたが、3週間ぶりで我慢できずに試走させてみることにしました
走らせる場所はしっかりと選んで、安全な場所で安全な速度で行います
実際に走らせてみるとびっくりするくらいブレーキが抜けていました。。。
ペダルの遊びが非常に大きく、めいっぱい踏み込まないとブレーキが効かない状態でした
しかも、しっかり踏み込んでも制動力は弱く、元の状態とは掛けなはれた感じでした
何度かブレーキペダルをポンピングすれば徐々に効きは回復するのですが、しばらくブレーキペダルを踏まずに走ると元の状態に戻ってしまいます
完全にライン内にエアがあり、フルードの圧を吸収してしまっている状態でした
そこでガレージで急ぎでエア抜きをし直すことにしました
リカバリー作業
ブレーキのエア抜きをする際には、エンジンを切って行うことが一般的です
エアが抜け、ペダルが重くなっていく感覚が分かりやすいからです
しかし、エンジンをかけるとブレーキフルードが循環するため、ペダルが重くなることは無いものの、エア抜き効率は上がります
そこで、リカバリーとしてエンジンを掛けながらエア抜きを行うことにしました
しかも、ワンウェイバルブ方式を取っていきます
まずはブレーキフルード補給器をしっかりとセットします
そして、ブリーダーを取り付け、グリップをガムテープで巻いて常に陰圧を掛けられるようにしておきます
その状態でエア抜きピンを緩め、ブレーキペダルを踏みます
すると一気にライン内のブレーキフルードがエアと一緒に押し出されます
これを4輪すべてでやり直しました
この作業に残りの500mlのブレーキフルードを使いきりました
結果、エア抜きしつつブレーキフルードの入れ替えも完了しました
再度試走
しっかりとエア抜きを行って再度試走してみました
今度はブレーキの効きも問題なく、安心して走れました
エンジンoffの状態でポンピングしてみても、しっかりとペダルは重くなるので、エアも抜けきったと思います
バキューム式ブリーダーの注意点
今回DIYでエア抜きして失敗した経験をもとに注意点を書いてみます
といっても、根本の原因は補給器のバルブの開け忘れなのですが。。。
ブリーダーでは抜け切れるエアに限度があるということが分かりました
普通に考えても、ちょっろキャリパー側から陰圧をかけただけで、ブレーキライン全体のブレーキフルードが動くとは考えにくいわけです
キャリパー内やラインのキャリパー側のエアくらいなら吸い出すことはできるでしょうが、今回のようにマスターシリンダー側のエアに対しては恐らく無力に近いでしょう
そのため、ブリーダーの身で作業する場合には、マスターシリンダー側からエアを絶対に引き込まないよう注意する必要があります
もし引き込んでしまった場合にはワンウェイバルブ方式でしっかりと圧をかけてエアを押し出す必要があるようです
一応ブリーダーでも一人で作業はできましたので、参考にしてみてください